「面接で良いパフォーマンスを発揮し、絶対にこの会社に転職したい」と思っていても、一体面接で何を聞かれるだろうか?、職務経歴の効果的な自己アピール方法は?、できると思わせる逆質問の仕方は?等、転職活動の面接でポイントが分からず、なかなか採用通知をもらえずに困っている方も多いのではないでしょうか。
私はこれまで7回転職し、現在、外資系企業のシニアマネージャーとして働いていますが、無職になってしまったことも3回あり、面接では非常に苦労してきました。なんとか書類選考を通過したとしても、面接のポイントを理解しておらず、20回に1回くらいしか面接通過ができませんでした。
しかし、企業・そのポジションが求めるものを、できるだけ正確に把握するように努め、適切な回答・アピールをするようになると、徐々に採用を勝ち取れるようになりました。結果として順調にキャリアアップとなる転職を重ねて、外資系企業でミドルマネジメントの域まで自分を高めてくることができました。
そのような私の失敗・成功の経験から、転職面接でよくある質問・回答例、企業側のその質問の意図・チェックしているポイントを解説していきます。
転職面接の流れ
初歩的なことではありますが、まずは一般的な面接の流れを理解しておきましょう。
私の経験からも、80%の面接は下記の流れで行われます。
- 自己紹介・職務経歴
- 転職理由の質問
- 志望動機の質問
- 実績・経験・スキルの質問
- 募集ポジションについての説明(企業から)
- 逆質問(企業に対して)
稀に会社概要・募集ポジションについての説明が冒頭にあることもありますが、通常はどの企業でも、面接の流れ・中身はほぼ上記のようになります。なぜなら、企業の採用担当者が面接の場で知りたいことに違いはないからです。つまり、面接の流れ・中身を理解すれば、採用担当者が面接で知りたいこと、評価のポイントが理解できるのです。
自己紹介・職務経歴
通常、面接は自己紹介から始まります。就職活動での面接ではなく転職面接の場合は、自己紹介とは職務経歴を意味します。
面接官から「これまでの(職務)経歴を話してください」と言われたり、「これまでの(職務)経歴を交えて自己紹介をお願いします」と言われることがほとんどです。この質問によって面接官は以下のポイントを確認します。
- 面接に呼んだ応募者が、事前に職務経歴書に記載されている通りの経歴・実績を持っているか
- 応募ポジションで活躍できそうか
- 自社に相応しい人物か
良い回答のポイントは3つあります。
- 端的に2分~3分で話す
- 最終学歴からのこれまでの職務経歴を話します。
- 経験企業数が3社以内である場合は、1社目から順番に経歴を話します。
- 経験企業数が4社以上の場合は、1社目から全てを順番に話そうとすると、3分を越えてしまうため、ポイントを絞ってアピールします。紹介に3分以上費やしてしまうと、面接官の集中力が切れ、良い印象を与えられなくなります。
- 応募企業・ポジションが求めている経験・スキルと、合致する部分を積極的にアピールする
- 企業側に「この人はうちの会社・このポジションで活躍してくれそうだ」と思わせるために重要なポイントになります。
- 企業・職務内容研究を十分にしており、志望度の高さ・熱意を示すことになります。
- 相手の目を見て、ハキハキと話す
- 好印象を与える基本テクニックです。
- これができないと自信がないよう見え、最悪の場合、職務経歴書に記載ある内容の真偽が疑われかねません。
転職理由の質問
自己紹介を終え、質問をされるのが転職理由です。なぜ現職・(既に退職している場合は)前職を辞めようと考えたのか。
ここでの回答が応募企業側に納得感を与えられない場合、いくら能力があり、これまでの経歴が優れていたとしても、不採用に繋がってしまいます。面接官に「またうちの会社も辞めてしまわれるのではないか」と不安にさせてしまうためです。
転職理由の回答に際し、上司・同僚や、会社・業務の悪口を言わないようにしましょう。勿論、現状に何か不満があって転職をしようとしているわけですが、感情的にそこを転職理由として押し出すのはマイナスです。人間的にも「?」と思われますし、そういった不満の要素を、自身の努力で改善・解消していくことができない人物、という評価をされてしまうリスクがあります。
例えば「自身の長期的なキャリアの目標として〇〇があり、現職(前職)では□□を達成してきた。〇〇になっていくには□□の実績・経験に加え、△△が必要であると考え、転職を決意しました。」という回答であれば、面接官に納得感を持ってもらえるでしょう。「自身の長期的なキャリアプランがあり、現状分析した上で、足りないものを明らかにし、目標に向かって行動をしていける人物なんだな」という印象を与えることができます。
志望動機
志望動機の質問で企業は応募者がどれくらい本気で応募をしてきているかをチェックします。ここでの回答で重要なことは「なぜ他の会社でなく、この会社、そしてこのポジションに応募したのか」を明確にすることです。
そのためには企業研究と、応募ポジションの研究が必須となります。
まず、応募する企業のホームページ、関連ニュースをチェックすることは、新卒の就職活同様に必要です。ここを怠ると、「なぜこの会社なのか?」という説明に説得力が生まれず「どこでも良かったのでは」と思われ、「困難に遭遇した際に頑張れないのではないか」、「長く活躍してくれないのではないか」という印象を与えてしまいます。
そして企業研究に加え、転職活動の場合は求人情報を読み込み、きちんと内容を理解することが重要です。
求人情報をしっかり把握することで、その応募ポジションの業務内容・求められるスキルを理解し、自分の経験を応募ポジションでどのように活かせそうか、そして会社にどう貢献できそうかをアピールすることができます。
中途採用の場合はここをしっかり回答することで「意欲が高く」、「求める経験・スキルを持ち」、「長く働いてくれそう」と説得力ある志望動機となります。
実績・経験・スキルの質問
面接の中盤から終盤にかけて、これまでの実績・応募企業で活かせる経験・スキルについて深く質問されます。ここは面接において、選考を通過するために非常に重要な章となります。面接官はここで「自社でどれくらい活躍できそうか」を測ります。
回答の重要なポイントは、先に『志望動機』で述べたのと同様に、応募ポジションの業務内容・求められるスキルをきちんと理解し、それらに対して最適の実績・経験・スキルを答えるということです。
例えば営業の職種を応募しているのに、(営業経験がある場合)営業とは関係のない実績・経験・スキルをアピールしても、面接官には響きません。エンジニア職に応募しているのに、エンジニアとしてのアピールをせずに、営業やマーケティングについてのアピールをしても意味がありません。
あるいはマーケティングのマネージャー職への応募であれば、製品ローンチ実績・キャンペーン実績や、市場分析・マーケティング施策立案経験、分析能力・パワーポイントやCRMツール活用能力に加え、チーム管理能力・プロジェクトタイムライン管理能力や、営業部・その他部署との調整能力をアピールできると良いです。そうすることで、面接官は入社後の具体的な活躍イメージを持てるので、面接通過確率が飛躍的に高まります。
異業種・異職種への転職面接の場合は、これまでの実績・経験から自身の仕事への取り組む姿勢や、どのように結果を出してきたのかを話すことで、面接官に対し、新しい仕事で活躍している姿をイメージさせることがポイントになります。
募集ポジションについての説明
そして企業から募集ポジションについての詳細な説明があります。会社・事業の歴史や、募集要項には記載しきれない募集の背景・任せたい業務の具体的な説明があります。
この企業側からの募集ポジションの説明の際には、応募者が評価されることはありません。しかし、聞く姿勢によって、相手に好印象を与えることができます。ここでは質問されないからといって、安心して一休みすることなく、集中力を切らさず、自身に傾聴力があることを示しましょう。
具体的には下記の4点をすることで、面接官に好印象を与えることができます。
- 相手の目を見て話を聞く
- うなずく・適度に相槌を打つ
- 上記2つをしながら、メモを取る
- 相手の発言を遮らない
逆質問
いよいよ面接の再終盤となると「何か質問はありますか?」と訊かれます。
この逆質問の内容が、評価を大きく変えてしまうことはないのですが、「特にありません」や「大丈夫です」という返答は良くありません。
「本当に自社・業務に興味を持っているのだろうか」、「担当する業務を理解しているのだろうか」と思われてしまうかもしれません。
逆質問も自分のアピールをできる場になる、と考えましょう。アピールに繋がる逆質問の例をご紹介します。
- このポジションの1日の仕事の流れを教えてください。
- この部門は今後、増員していく予定はありますか?
- どのようなKPIで評価をされますか?数字以外の貢献・成果でも評価をされますか?
上記のような逆質問をすることで、「この人は入社後、自分が働くイメージができているな」、「自社への志望度が高そうだ」、「自社でも活躍してくれそうな人材だな」という印象を面接官に与えることができます。
まとめ
以上、転職面接の流れと内容、そしてそれぞれの質問に対して、面接官から良い評価を得るための回答のポイントを解説しました。
各セクションそれぞれ回答のポイントがあり、準備・対策が大変に思われるかもしれませんが、どの企業も質問してくることはほぼ同じです。一回、自身できちっと準備をすれば、あとは応募企業・ポジションごとに適切な回答を微調整していけば大丈夫です。
これを知っているか知らないか、準備をするかしないかで、面接通過率、そして内定獲得率は大きく変わってきますので、是非、実践してみてください。
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