日本でも以前からウェブ面接はありました。しかし、それは外資系企業やグローバルな日系企業で採用担当者(上司となる人)が海外を拠点にしていて、来日する機会がほとんどない場合に限られていました。
採用担当者が日本にいる場合はウェブ面接が実施されることはまずなく、実際に対面での面接が行われることが当たり前でした。
しかし、2020年、新型コロナウィルスにより、世の中の仕事の仕方が一変しました。それは転職面接についても同じでした。面接のほとんどがウェブ面接で実施されるようになったのです。
ウェブ面接と対面面接の違いは何?気を付けるべきポイントは何?と不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
対面での面接でもウェブ面接でも、面接官から聞かれる質問に違いはありません。
しかしウェブ面接の特性・対面式とは違う点・準備しておくべきこと・やってないけないことを理解しておかないと、ウェブ面接で上手に受け答えができない、という事態に陥ることになるでしょう。
たとえ面接での受け答えが上手くできたとしても、ウェブ面接での過ちを知らずに犯してしまうことにより、合格を勝ち取れない場合があります。
私も実際に2020年に、転職活動で6件のウェブ面接を経験しました(結果的に転職はしませんでしたが)。
機器トラブル・背景設定・部屋の明るさ・身だしなみ等の問題が、それぞれの面接で露呈し、せっかく良い受け答えができたと思っても、面接官からは大きなマイナスポイント付けられ(この人は大丈夫だろうか、という懸念を持たれ)、オファーを得ることができませんでした。
逆に上記を経験し、万全の準備で臨んだ面接では、実際にオファーを得ることができました(転職はしませんでしたが)。
このように実際に私の経験から、ウェブ面接で思わぬ失敗をせず、面接官に対して良い印象を与える方法をお伝えします。
Web面接攻略のポイント
面接前
前日までに機器・ソフトウェアの動作確認をしよう
Web面接が行われる前日までに、PC・カメラ部分・マイク・ヘッドセット(使用する場合)の動作確認をしましょう。
機器に不具合がある場合、前日までに確認をすれば、当日までに問題なく動作する機器・アクセサリーを準備することができますし、操作方法を学ぶ時間があります。
また、機器だけではなく、Web面接で招集されているソフトウェアの動作確認をしましょう。
事前にインストール、またはアカウント登録をしておく必要があるものもあり、事前確認なしで当日面接に臨んだ場合、Web面接に入れずに面接官を長時間待たせる、という事態になりかねません。
ネットワーク回線が安定している場所を選ぼう
ウェブ面接をするにはインターネットに繋げて、接続が安定していることが必須です。
ネットワーク回線が不安定な場合、面接中に画像が乱れる、通話が途切れる等の事象が発生します。
また、回線速度が重いと音声・画像にタイムラグが発生し、落ち着いたやり取りができずに焦り、面接に集中できずに良い回答ができなくなってしまうことにもなります。
面接官に呆れられてしまい電話面談への切り替えを提案されたり、最悪の場合は面接を打ち切られてしまう場合もあります。
静かな場所を選ぼう
できる限り外部の音が入らない静かな場所を選びます。家族と同居している場合は掃除機の音、テレビ・ラジオの音、子供の声等が入らないようにあらかじめ家族に相談しておく等の工夫をましょう。
また近隣の電車の音、車のエンジン音、工事の音等、窓やカーテンを閉めるだけでは大きな騒音を防ぎきれない場合は、レンタルルーム・レンタル会議室等を借りる等しましょう。
当たり前のことですが、他社との面接に自分の会社の会議室を使うことはご法度です。
面接中
PCを使おう
Web面接はPCを使って参加しましょう。デスクトップでもノートでも構いません。
理由はPCであれば、もし画面上で資料の共有をすることがある場合、自分を映すカメラはそのままに、キーボードを操作してスムーズに動作ができるからです。
しかしスマホやタブレットの場合、機器を自分の手元に手繰り寄せて、共有のための操作をすることになります。
この際、面接官側には急にあなたのアップ画面になる・あなたの部屋の他の部分が目に入る等の影響があるわけです。
細かいことですが、スマート差に欠ける・配慮に欠ける、と取られかねません。
スマホ・タブレットでの参加は、最悪の場合は、せっかくの面接の機会を軽んじられている、と取られてしまう可能性がありますのでPCを利用しましょう。
面接開始10分前に入室しておこう
ウェブ面接の開始10分前には入室しておきましょう。
前日までにPC等の機器回りのチェックをしていたとしても、当日マイナートラブルが起こる可能性はあります。
あらかじめ余裕を持って入室する予定で動いておけば、万が一、マイナートラブルがあったとしても対処をして予定通りの時間に面接に臨めます。
背景
意外と手が回らないのが背景ですが、背景をきちんと面接仕様にすることで面接官に与える印象が大きく変わってきます。
一番無難なのは白です。白単色の背景にすることで、候補者であるあなたが画面の中で引き立ちます。
白い壁があればベストですが、なければカーテンや白色の背景紙を用いれば問題ありません。
背景に洗濯物が干してあったり、食器が並んでいたりというのは面接には適切ではありません。
いくら募集要項と自分の経験・能力が十分過ぎる程マッチしていたとしても、背景に手を抜くと不採用という結果に終わることもあります。これは私自身の経験からお伝えさせていただきます。
また、自分の後ろに窓があったり、明るいライトがある場所を選ばないようにしましょう。
ウェブ面接では部屋を明るくしておくことは重要ですが、外から日光や自分の後ろにライトがある場合、自分の姿が逆光で見えづらくなったり、眩しくて見えなくなったりします。
外からの光には頼らず、カーテン閉めたり背景紙を用いて、部屋の電気を使って明るさの調整をしましょう。
入室時は音量ミュート
ウェブ面接に入室する際は必ず音量をミュートにして入室しましょう。
まだ面接は始まっていないからといって気を抜いて入室してしまうと、もし面接官が先に入室していた場合に、こちらの音声・生活音が面接官にダダ洩れになってしまいます。
このようなリスクを避けるため、入室時はミュートにしましょう。
可能であればヘッドセットマイクをしよう
できればヘッドセットマイクを装着してオンライン面接に臨みましょう。理由は2つあります。
- 周辺で工事等により騒音がある場合でも、よりクリアにあなたの声のみを面接官に届けられるし、その様な騒音下でも面接官の声がしっかり聞こえるため。勿論、騒音が大きい場所であれば、そこで面接を受けるべきではありません。
- よりプロフェッショナルな印象を面接官に与えることができるため。
服装
ウェブ面接であっても面接時の服装はスーツを着用しましょう。
自宅等で面接を受けられるからといってラフな服装で面接を受けるのは良くありません。
自宅であってもプロとして仕事に臨むという姿勢を見せなければいけません。
ウェブ面接であってもきちんとスーツを着ることで、仕事に対するやる気・気を引き締めて挑んでいること・会社への熱意をアピールすることができます。
まとめ
ウェブ面接が決定したら、できるだけ早くウェブ面接を受けるための場所探しをしましょう。
安定したネット環境があり、騒音が(できるだけ)入ってこない、白い(もしくは薄い)色の背景が用意できる場所を準備することが、ウェブ面接攻略の第一歩です。
そしてウェブ面接攻略の成功のポイントは下記のようになります。
- 面接前
- 前日までに機器・ソフトウェアの動作確認をしよう
- ネットワーク回線が安定している場所を選ぼう
- 静かな場所を選ぼう
- 面接開始10分前に入室しておこう
- 面接中
- PCを使おう
- 背景は白い場所(もの)にしよう
- 入室時は音量をミュートしよう
- 可能であればヘッドセットマイクをしよう
オンライン面接で聞かれる内容は、対面での面接と違うということはありません。しかし対面ではなくお互いが離れた場所で、機械を通して行うため、機器のトラブル等で面接が不調に終わったり、悪印象を与えてしまうリスクがあります。
そのリスクをできる限り事前に対処し、最善な状態で面接に臨むことが、ウェブ面接で合格を勝ち取る重要なポイントになります。
ウェブ面接が決まった際は、是非、述べたポイントに注意し、良い面接を実現してください。